商売をする上では在庫は重要なものです。しかし、在庫があればある程いいというわけではありません。それを知らないと、損をすることにもなりますので、「余剰在庫」とそのリスクについて知っておきましょう。
余剰在庫とは
最近では在庫を持たないネットショップも増えてきましたが、お店を運営している場合は大抵在庫を抱えるものです。整理もできないほど在庫が多すぎる場合、流行が過ぎ去っても売れなかった場合、食品の場合は賞味期限が切れてしまった場合などが、余剰在庫に当たります。
繁忙期では在庫が追いつかなくなったり、製造業では在庫が少ないことで納期を守ることができなかったりと、在庫を少なくすると経営がダメージを受けるケースも考えられますが、必要ないのに余剰在庫を抱えることはありません。
余剰在庫を抱えるだけで人件費や管理費などがかかることがほとんどですし、賞味期限や流行が過ぎてしまうと販売することもできません。価格を下げれば売れるかもしれませんが、売れば売るほど赤字になることも考えられます。きちんと在庫を管理し、余計な在庫は持たないようにすることがスムーズな経営につながります。
また、どうしても余剰在庫が出てしまった場合は、質屋や専門店などになるべく早めに買い取りをしてもらうか、処分するしかありません。
家電リサイクルで処分
特に在庫を抱えがちなのが、電化製品です。
電化製品はブームになれば飛ぶように売れるものではありますが、その代わり型落ちすると買い取り値がつかなくなります。値下げをしても売れないものは、処分するしかないでしょう。
ただし、「エアコン」「テレビ」「冷蔵庫・冷蔵庫」「洗濯機・衣類乾燥機」などの「家電リサイクル法」で定められているものは、粗大ごみとして処分できず、有用な資源としてリサイクルしなくてはいけません。
小売業者の場合は、製造業者等に引き渡します。製造業者であれば、自らが製造した電化製品を「家電リサイクル法」に基づいた定められた方法でリサイクルします。
買い取りサービスは難しい
家具や貴金属などは、買い取りサービスなどに高値で買い取ってもらえるケースが多いのですが、型落ちした電化製品は、買い取りはなかなか難しい場合が多いです。
なぜなら、家電は頻繁に新しいモデルが発売されており、すぐに型落ちとなってしまいます。目安としては、発売されてから3年程度で査定額はぐんと下がります。
もうちょっと置いておこう、次の棚卸のときに……などと考えている間に、ぐんぐん値段が下がっていくので、赤字にしないためにも、余剰在庫となってしまった家電はなるべく早めに手放す必要があります。
型落ちしてしまった家電や、年数の経ってしまった余剰在庫を処分する際には、余剰在庫に強い質屋や買い取り業者、不用品回収業者、ネットオークションなどを利用するといいでしょう。
家電の場合は、時期を逃すと大幅に値段が下がってしまうことが考えられます。新商品が発売されるなど型落ちが予想される場合は、早めに買い取りをしてもらうといいでしょう。