リサイクル店を活用しよう
「いくらでもいいから引き取って!」
そう言われて質屋に持ち込まれる、古い洋服や食器。ほとんどの質屋では、値段がつきません。「質屋は買取が高いって聞いたから」
と言われることもあります。
たしかに、質屋の買取額が高い傾向であることは事実です。しかしその多くは貴金属やブランド品、高級腕時計など質屋業者間で人気があるものに関して。何でも買い取って、何でも高いという質屋は皆無です。
近年は買取店舗の急増で「質屋」「買取店」「リサイクル店」の混在が強くなりました。「どこに売っても同じでしょ?」と思ってしまう方もいますが、それぞれ守備範囲や買取基準が異なり、特に「リサイクル店」は取り扱い品目が最も広いと思われます。
一般に「リサイクル店」や「リサイクルショップ」と呼ばれる店舗は、正確には「リユース店」。買い取った品物を簡易的にクリーニングし、基本的にそのままの状態、現状中古品で販売します。再生する「リサイクル」ではなく、再利用品のため「リユース」なのです。しかし広く「リサイクル店」という通名で認知されています。
前述の洋服や食器などは、リサイクル店であれば取り扱っているお店がほとんど。店舗やアイテムによって対応は異なりますが、リサイクル店ではまず「全般を取り扱っている」のです。質屋や買取店の多くでは「そもそも高級品しか取り扱っていない」ことが多いので、これは大きな違いです。
それに関しては冷蔵庫や洗濯機、家具など大型の品物に関しても言えそうです。質屋ではそれらを取り扱わない店舗がほとんどですが、リサイクル店では対応可能。出張買取をしている店舗も多いです。
リサイクル店は買い取りが安い?
「でも、リサイクル店の買取は安いんでしょう?」
そうおっしゃる方も少なくありません。たしかにリサイクル店の多くは店舗が広く、取り扱い品目が多いため、値下げや廃棄ロスも考慮して1点ごとの価格が安くなる傾向です。
ただし、これは質屋でも買取店でも同じことが言えますが、結局は「品物次第」。流行のものや最新のアイテムは中古流通額が高いため、どの店舗も買取を強化します。リサイクル店でもブランド品や高級時計は専門スタッフが対応しますし、他店に負けない価格を目指しています。チェーン店などでは、貴金属が安心できる水準のグラム単価になっている店舗も多いです。
リサイクル店が安いという印象は、そもそも査定に出したものに中古品としての価値が薄いことが多いように思われます。今や洋服は、昔よりずっと上質のものが数百円から数千円で買える時代。食器は百円均一で揃える方も多くなっています。家電は全体的に昔より安く、コンパクトに、そして高機能になっていきます。そのような時代に、数十年前のアイテムが当時の新品販売価格から買取額を考えてもらえることはないでしょう。「リユース」ですから「次に買って使う人がいるか?」が重要になります。販売できる見込みがないものは、買い取ることもできないのです。
店舗によっては業者と提携しており、海外(主に発展途上国)向けに輸出するため、極端に安い買取価格か引き取りでよければ対応できる店舗もあります。特に洋服が対象品の傾向ですが、店舗や時期により取扱品が異なりますので、引取目的の方は問い合わせてみるといいでしょう。
「値段がつかないなら、もったいない」と思うのであれば、あとはフリマアプリなどを利用して、自分で販売するしかありません。まずは処分したいものと売りたいものとで、分けて考える必要があります。
リサイクル店の得意なジャンルは?
またリサイクル店の多くは「ジャンク品」というカテゴリーが専門で存在するため、一般に古いモデルや故障品は取り扱わない質屋にない強みがあります。
特に大型リサイクル店ではAV家電を中心に、多少の故障や古めのモデルでも価格がついたり、引き取ってくれることがあります。処分を前提に考えている方は強い味方になるはずです。
他にもノーブランドの時計やメッキのアクセサリー、余ったケーブルや古いパソコン、インテリアや生活雑貨、洗濯機や家具など大型のもの、使用した生活家電……そういった「生活に近い」部分こそ、リサイクル店の強みです。
どうしてもブランド品や高級腕時計などは質屋のほうが強い印象ですが、その質屋で断られてしまったものをリサイクル店に相談するのも、おすすめですよ。
店舗ごとの特性をうまく活用して、多すぎる家財はスッキリさせましょう。