遺品整理にまつわるトラブルが急増しています。中でも最も気を付けたいのが、買取業者との取引の間に生じる金銭トラブルです。遺品整理を業者に頼んだところ、不当な手数料を請求されたり、一般的な買取価格よりも著しく低い買取価格を提示されたりするなどの、悪質なケースが後を絶ちません。こうしたトラブルを未然に防ぐには、生前から不要品をため込まないようにするのはもちろんのこと、業者に依頼する際は信頼のおける業者を選定することが大切です。
「起こり得るトラブル」
手数料や出張料を高額請求
不要になった遺品を高値で買取りとしながらも、一般的な相場よりも著しく低い買取金額を提示した上、高額な査定料、出張料金を請求するのは、悪質な業者の典型的な手口です。契約内容には含まれない手数料の支払いを強要されたり、いつの間にか貴金属類や家電製品が盗まれてしまったりするといったケースもあるようです。
遺品の不法投棄
不要品の「処分料金」を支払ったにも関わらず、正規の処分場に持ち込まず空き地や山中に不法投棄されるケースもしばしば見られます。不要品を回収・処分するには、「一般廃棄物収集運搬業」の認可を得る必要がありますので、あらかじめ認可の有無(または認可業者との提携の有無)を確認しておくと安心でしょう。
「予防と対策」
生前から物を増やしすぎない
「物を粗末にしない」「もったいない」という気持ちが強すぎると、安易に家の中にある物を捨てられず、いざ整理しようと思った時には不要品が山積み状態になってしまうことも少なくありません。特に、高齢者の場合は、足腰が弱っていることを理由に不要品の整理を拒んだり、物を手放すこと自体に不安を抱いたりする傾向があります。
加齢に伴い物忘れがひどくなったり、認知症の症状が現れると、「要る・要らない」の判断がつかなくなったりすることもあるため、元気なうちから家の中にある物を整理しておくことが重要です。一人で整理ができない時は、家族が一緒になって片づけをするのも良いでしょう。
信頼のできる遺品整理業者に相談する
家族だけでは対処が難しい場合は、信頼のできる遺品整理業者に相談をしてみましょう。業者に依頼すれば、本人や家族の思いを尊重しながら整理を進めてもらえますし、買取可能であれば現金に換えることもできます。ただし、トラブルに巻き込まれないよう信頼のおける業者を選ぶことが重要です。遺品についてどのように処分したらよいか、「遺言状」に記してもらえば、より整理しやすくなります。遺言状を書く年齢ではないと嫌がられてしまうかもしれませんが、「大切にしてきた物を粗末に扱いたくない」という気持ちを伝えれば理解してくれるでしょう。
核家族化や少子高齢化の影響により、遺品整理を専門とする業者への需要が高まっていますが、中には悪質な業者も少なくないため、何か不審な点があれば迷わず国民生活センター等に相談するようにしましょう。遺品の買取りについては、ブランド小物から家電品まで多種多様な買取実績のある質屋であれば安心して取引できますので、選択肢の一つに入れてみてください。