日々、身に着けている腕時計。ほぼ毎日使用している方が多いでしょうから、汚れや汗などが知らず知らずのうちに付着しています。
そのまま放置してしまうと付着した細菌が繁殖し、サビやカビを発生させてしまう可能性があります。そこまでいってしまうと時計屋さんの修理扱いになってしまったり、動作上の問題を起こしてしまうこともあります。
毎日おこなうのは大変ですから、1週間や1か月など期間を決めて定期的にメンテナンスしましょう。そうすれば、ある程度クリーンな状態を保てます。
今回は、その方法を場所や材質ごとにご紹介します。
【風防ガラス】
・多くの汚れは軽いもの。「ファイバークロス(めがね拭き)」で拭きましょう。風防は平面あるいは角度をつけたガラスですから、メガネと同じ要領で汚れが落とせます。
クロスは量販店やコンビニでも売っていますし、小型の物はメガネ屋さんでお願いすればもらえます。
・強い汚れは「除菌シート」で拭き落としましょう。その後、必ず乾拭きを忘れてはいけませんが、ティッシュで叩いて水分を吸いこむように、やわらかく拭くことがポイント。強く拭くとメガネと同様、こまかい走りキズがついてしまいます。
【ケースのすきま、ステンレスのベルト】
・まずは「除菌シート」で拭いて、大きな汚れを取りましょう。
・段になっている部分や、すきまは「綿棒」で汚れをかき出しましょう。先が細い「ベビー用綿棒」があれば、なおさらオススメです。
・コマのすきまなど、狭い部分は「爪楊枝」を使いましょう。ティッシュで先端を覆って汚れをかき出すと、そのままティッシュに汚れを落とすこともできます。やわらかい素材の「歯間ブラシ」を使う方法もあります。
・一気に汚れを落とすには「腕時計専用のブラシ」を使う方法もありますが、なければ「やわらかい素材の歯ブラシ」でも代用できます。しかしキズ防止のため、材質に注意が必要です。
・もしもご自宅に「超音波洗浄機」があれば、ベルトを外してしばらく洗浄するだけなので簡単です。ただし、別途、ベルトをケース部分から外すための工具が必要になります。
またムーヴメントを含んだケース部分ごと洗浄してしまうと、かなりの防水機能の時計でもない限り、内部に浸水して壊れてしまうので、丸ごと洗浄は絶対にやってはいけません。
・ステンレスの性質上、すきまを入念に乾拭きしなくてもサビはあまり発生しないと思います。しかしバックル金具にはコーティングをしているものも多く、また可動する部分なので、しっかり拭かないとサビる可能性があります。
【レザーのベルト】
・素材がレザーのベルト清掃の要領は、靴やバッグと同じです。汗や体臭が沁みて劣化していき、切れてしまうことがあるのも同じです。
・靴やバッグと同じく目立つ汚れを「革クリーナー」で落としましょう。その後「革クリーム」で油分補給します。
・レザーは乾燥してしまうと硬くなり、ヒビ割れや破損の原因になるので、ステンレス以上に取り扱いに注意が必要です。
【シリコンやラバー素材のベルト】
・最もお手入れが簡単です。「除菌シート」で拭き、段やすきまの汚れを「綿棒」や「爪楊枝」でかき出しましょう。
・ただし、爪楊枝は先端で素材を傷つけてしまうことがあるので、ティッシュをかぶせて力を入れずに掃除しましょう。
・それでも、素材の性質上の問題で、付着したにおいが取れないことも多くあります。洗剤や重層などを使用する方法もあるようですが、素材を傷める可能性があるため、あまりおすすめできません。
【ムーヴメント】
・腕時計の中は、個人でのメンテナンスが難しい部分です。知識がない状態で手を出すとムーヴメントが正常に動かなくなり、破損や故障につながります。原則的に、専門店へ預けましょう。
・クォーツ式の時計は「電池交換」が必須。ボタン電池は1年~2年ほどで切れてしまいますが、そのまま放置すると電池が液漏れを起こし、ムーヴメントが破損してしまう可能性が高いです。
動かなくなったら早めに電池交換しましょう。ご自身でできる方もいらっしゃると思いますが、ホームセンターのカウンターなどで預けても比較的安価で交換できます。
・ソーラー充電式の時計は、日々の生活光だけではなく定期的に日光できちんと充電してあげると、動かなくなるぐらい放置してしまうよりも長く使えます。
電池が切れた場合、専用の蓄電池を使用しているため、一般の方では電池交換が難しいかもしれません。またホームセンターなどでは受け付けてもらえない可能性もあります。「時計専門店での電池交換」を依頼しましょう。
・オートマティック(自動巻き)や手巻きの時計は、非常に精巧な内部パーツをひとつひとつキレイにする必要があるので、一般の方ではほぼメンテナンス不可能です。
高値になってしまいますが、定期的に「専門店でのオーバーホール」を依頼しましょう。
腕時計も、ファッション感覚になってきている時代。
衣服のように続けて買い替える方も増えていますが、せっかく選んで購入したもの。愛着をもって使い続けてあげませんか?
手をかけないと壊れてしまうのは、モノもヒトも同じですね。