
「買取お願いします。新品です!」
そう言われて出されたバッグの中がベタつき劣化していたり、家電品に開封や通電の痕跡があったり……買取業にはよくあることです。
よくよくお話を聞いてみると「実用していない=新品」という認識をされている方が多くいらっしゃいます。たしかにご本人としては、買ったまま使用はしていないので、新品のままだと思われるかもしれません。しかし買取にあたっては、それらは新品という判断ができかねるのです。今回は、当社の基準も含めたうえで、その「状態」についてのお話をしましょう。


■「新品」とは?
簡単に言えば「買ってそのままの状態」のことです。
ただし条件がいくつもあり、それらをクリアしなければ新品とは言えなくなります。
以下、簡単に条件を挙げていきます(※ものにより、これ以上の条件が必要なケースもあります)。
【バッグ・小物・時計など】
・最新モデルおよび最新の仕様であること
・保護シールがあるものは、それが剥がされていないこと
・保管や輸送などによるダメージがないこと
・正規店購入品であること(一部のブランド品)
・付属品が揃っていること(ギャランティ含む)
・製造年月日が近いこと(ものにより、数ヶ月~半年程度)
【電化製品など】
・付属品が揃っていること
・テープ留めやロックがされたものは、未開封であること
・箱が崩れていないこと
・中が確認できる場合、フィルム剥がれや保管や輸送などによるダメージがない
・保証書があること
・保証書に店名や購入日のスタンプや記載がないこと
・製造年月日が近いこと(ものにより、数ヶ月~1年未満)
「そのまま、新品として再販売できる状態」が、新品であるといえます。
■「新品同様」とは?
状態は新品に準じているものの、上記条件から何らかの要素が欠落しているものは新品の判断ができなくなります。
その場合は新品に等しい「新品同様」という判断になります。基本的にモデルや製造年は新品に準じますが、これらの基準はブランドやメーカー、アイテムによっても異なります。
【バッグ・小物・時計など】
・保管による色ヤケや小キズなどがあるもの
・フィルム剥がれなどがあるもの
・国際保証カードに個人名の記述があるもの ・マイナーチェンジにより型落ちの仕様になっているもの
【電化製品など】 ・長期保管品のもの
・外箱ダメージがあるもの
・封をされたテープなどが開封されているもの
・逆に、もともとは施されていないはずのテープなどで人為的に封をされているもの
■「印有り新品」とは?(※家電品の場合)
家電品の場合、保証書に店名や購入日のスタンプや記載があると、状態が新品に準じていても査定額が下がります。
これは固定店舗で販売済のため期限付きの保証が始まってしまっているためです。アップル社の製品で、シリアル番号での登録がされており、サポートが開始されてしまっているものも同様に「印有り新品」となってしまいます。

■「中古SA」とは?
使用品であるものの、数回だけとてもキレイに使用され、ほぼ使用感がないもの。「中古最良品」とも言われます。付属品が完備であることが条件になるケースも多いです。
または新品状態(未使用品)でも新品同様までの条件を満たさず、中古扱いになってしまうものも「中古SA」となります。たとえば製造年月日が新品の条件に満たないものの、数年程度のものは「中古SA」になることがあります。
家電では通電しただけであるとか、新品状態でも保証書がないもの、印有り保証書の日付が1ヶ月以上経過しているものも中古最良品という判断になります。
■「中古A」とは?
総じて、少々の小キズはあるものの、使用頻度が少なくキレイに使用されていたもの。付属品が完備あるいはほぼ揃っていることが条件になるケースも多いです。
バッグなどは「型崩れ・角スレ・剥がれ・色ヤケ」がないもの。時計は詰めたブレスが残っていて、深いキズや風防ガラスのキズがないもの。家電などでは使用環境や使用頻度によって現れる外観での判断がポイントになります。
■「中古B」とは?
普段使いで使用され、中小のキズなど見てすぐわかる、使用や保管によるダメージがあるもの。
バッグの場合、色ヤケや型崩れなどが確認できるもの。時計の場合はブレスまわりのキズや風防の小キズが確認できるもの。家電などでは本体キズや変色、年式などがポイントになります。
「1回しか使っていない」という使用歴でも、落としたりぶつけたりして目立つダメージがあると、状態は一気にこちらに分類されてしまいます。
■「中古C以下」とは?
そのまま使用できないわけでもないが、販売するにあたってはメンテナンスが必要になるもの。
バッグの場合はベタつき劣化があるものや破損が確認できるもの。時計の場合は深いキズが確認できるもの。貴金属アクセサリーなどの場合は変形や破損があるもの。家電の場合はジャンク品同然やパーツ取りに近い極度の使用状態になりそうです。

■買取は「今」を見ます
いかがでしょうか?
ひとことで「新品」と言いますが、「未使用品=新品ではない」ということが、おわかりいただけるでしょうか。
平易に言えば「現在、そのまま新品として販売できるか」ということになります。もちろん、こうした基準はお店によって異なります。販売ルートや取引業者にもよるでしょうし、店舗販売であれば型落ち品を新品として販売することも可能かもしれません。



