質屋における家電品の取り扱い

■質屋は電化製品も預かります
 多くの質屋が、家電品も預かりの対象にしています。
 対象になるのは、主に「情報家電」または「AV家電」と呼ばれるもの。パソコン、テレビ、レコーダー、タブレット、音楽プレーヤー、スマートフォン、カー用品、デジタルカメラ、楽器、ゲーム機……といった、生活よりも趣味の側面が強いものです。

反対に掃除機や空気清浄機、調理器具などは「生活家電」と呼ばれ、生活必需品ではありますが、使用されると再販売が難しくなるものが多いため、もしも流れた時のことを考えると中古は扱わず、新品のみの取り扱いにしている質屋も多いようです(※買取であれば対応可能な品目もあります)。

 

■常に新製品が控えている家電業界
生活家電は短いサイクルで新製品が発売され、買い換えされていきます。
反面、情報家電は趣味の側面が強く、モデルチェンジしても買い替えずに使い続ける方が多い傾向です。一部スマートフォンなど、最新式のものが高い人気を誇るモデルは最新型に買い換える方も多いですが、ほとんどの方は「パソコンを毎年買い換える」などはやっていないと思います。

それが中古相場にも反映されており、情報家電の中古相場の下降は、少しゆるやかです。そのため多少時間が経過しても同じ価格で預かれることも多いので、常に価値が保たれている安心感があります。

反面、新品価格は一気に下落します。家電品はおよそ年2回のスパンで新作が発表されるため、1年が経過すると2モデルも前のものになってしまう。そうなる前に家電量販店は型落ちモデルを値下げして在庫処分していくので、新品価格もどんどん下がっていく。

よって、家電品の多くは常に同じ預かり金額を約束できず、「その時点の中古相場」を参考にした再査定が必要になってくるのです。

■目安は5年
家電品はよく「5年程度の命」と言われています。

すべてがそれに相当するわけではありませんが、まず基本的に専用修理部品の生産が5年程度でストップします。その間、新モデルの続出にともなって中古市場の相場が落ちていき、結果、5年もすれば需要がなくなってしまいます。
パソコンやデジカメ、スマートフォンなどは特に成長が早く、5年も前のモデルは需要がなくなってしまいます。年々スペックが高くなり、同時に廉価になることも多いので、中古相場の落ちも早い傾向です。カーナビは地図ソフトが頻繁に変わりますし、ゲーム機などは5年も経過するとソフトの生産が終了してハードそのものの価値がゼロになることもあります。
ただし、高額なデジタル一眼レフカメラなどはこれにあたりません。もとより長く使える高機能商品は、常に一定の需要があるため根強い人気を誇ります。楽器などもそれにあたり、年単位でも相場の変動が少ない傾向です。高額で定評のあるプリアンプなども新しいモデルが頻繁に出るわけではないので、安定した中古相場を保っています。

■変わっていく情報家電
情報家電の多くは、高機能化と同時にコンパクト化されていきます。

タワー型パソコン → ノートパソコン
カメラ → デジタルカメラ
ビデオデッキ → DVDレコーダー → ブルーレイレコーダー
携帯電話 → スマートフォン
コンポ → ラジカセ → MP3プレーヤー

スペースに限りがある集合住宅が一般化している現代では、家電も姿そのものが変わることが多く、全体的にコンパクトになっています。
それは同時に、人々の価値観が変わっていく水準にもなっています。中古相場も、そうした世相に合わせて変化している側面が強くあります。
そのため、上記における昔の形のモデルは「年式が古いもの」である証拠となり、預かりの対象にならない可能性が高いということにもなってしまうのです。

■まずはご相談を!
専門的な側面が強い、情報家電。
持ってきてみたら期待したより安かった、あるいは預けることさえできなかったということも少なくないでしょう。その多くは「モデルの古さ」が原因となってしまっています。
しかし逆に、かなり前に発売されたものでも高い中古相場を維持しているものも少なくありません。前述のデジタル一眼レフカメラやプリアンプ、楽器など時代に流されにくい高級品は、モデルによって一定の価格が期待できます。
常に性能が進化し続ける家電品は、いわゆる「プレミア」がつくものがほとんどありません。基本的に、新しいものほど高く取引されます。
大きなものや重さがあるものも少なくないので、まずは型番や年式などで相談してみるといいでしょう。家電品はむしろそれだけでもある程度調べることができるので、お電話や、メモを控えて来店でのご相談などがおすすめですよ。