手持ちのブランド品などを担保に質屋からお金を借りることができる「質預かり」というシステムをご存知ですか? 大切な品物を手放さなくて良いのが最大の魅力ですが、場合によってはその品物が手元に戻ってこないこともあります。今回は、質預かりを利用する上で知っておきたい「質流れ」の仕組みについて、詳しく解説します。
質流れとは
質屋に自分の持っている物を預けて、その金額に相当するお金を借入れする「質預かり」。預けた品物は、期間内に借入れた金額とその利息を支払うことで取り戻すことが可能です。では、万が一、その支払いができなかった場合にはどうなるのでしょうか? 質預かりでは、自分の物を「担保」として質屋から融資を受けているわけですから、当然のことながら決められた期限までに返済をする義務が生じます。その期間内は、預けた品物の所有権は自分にありますが、定められた期日を1日でも過ぎてしまった場合には、その品物の所有権は質屋のものとなるのです。このように、一時的に預けていたものが取り戻せなくなる状態を「質流れ」と言います。預けた品物が質流れになった場合には、融資を受けた金額とその利息を支払う必要はありません。ただし、一旦質流れとなってしまった品物は原則として返してもらうことはできないので注意が必要です。大切な品物を手放さずに融資を受けるのであれば、こうした仕組みをあらかじめきちんと理解しておくようにしましょう。
質流れになる期間は?
質預かりを利用した際の元金返済日のことを「流質期限」と
言います。この期限を過ぎてしまうと、預けている品物は質流れとなってしまうため注意が必要です。流質期限は店によってそれぞれ異なるため一概には言えませんが、「質屋営業法」では原則として3カ月未満と決められていて、店舗によっては流質期限が1カ月未満と短いところもあります。そして気をつけなくてはいけないのが、質屋に預けている品物は流質期限が過ぎた場合、自動的に質流れになるということ。質入れして融資を受けたもののうっかり忘れたままでいると、大切な品物を手放すことになってしまいます。質屋から期日に関する連絡はないものと理解し、自分でしっかりと流質期限を把握しておくことが大切です。
質流れを阻止するには
質屋に預けている品物の流質期限が近づいているものの、返済するお金が足りないという場合にはどうしたら良いのでしょうか。流質期限までに返済できなかった品物に関しては、自動的に質流れになるのが原則ですが、どうしてもその品物を手放したくないという場合には、利息だけを支払って流質期限を延期してもらい、質流れを防ぐという方法もあります。ただし流質期限の延期は質屋によっても対応が異なるため、必ず認められるとは限りません。質預かりを利用する際には、あらかじめ延期に関す
る項目をしっかりと確認しておくことが大切です。
質流れしてしまった品物を取り戻したいという場合には、質屋が後日その品物を売り出したときに購入するという方法もあります。ただし、「借りた金額+利息」よりも高額になってしまうことがほとんどですので、注意が必要です。