コロナ禍で高騰しているもの

発生から2年が経とうとしている新型コロナウイルス感染症。未だに猛威をふるい、日本国内から世界各地のニュースまでが飛び交っています。いわゆる「コロナ禍」と呼ばれる中で「おうち時間」が増えて片付けが進み、家財を売却したという話もよく聞きます。
この状況で相場が高騰しているものがあることを、ご存知でしょうか?
その多くは「高級腕時計」と「中古ブランドバッグ」に見られます。

 

■高級腕時計
複数ブランドの高級時計は全体的に相場が高騰し、一定のモデルが新品・中古とも格段に高騰しています。
特にロレックスは定価が上がり続けていますが、それでもスポーツモデルは中古状態でも定価を大きく上回る価格で取引されており、日本市場では以前より品物が枯渇しています。
この高騰化の原因は、もともと高級品のロレックスは生産量が多くはなく、ただでさえ人気モデルは入手しづらく転売が相次いでいたところに、コロナ禍によるスイスの工場停止が拍車を掛けました。その後、工場が再稼働しても世界中でロレックスを求める動きは加速。新モデルが発表されたものの、即座に入手困難に陥り、定価も見直されました。
高騰を続けるのは主にスポーツモデルで、中でもデイトナは2021年8月現在、定価の倍以上の価格で取引されているのが現状。輪をかけて転売が相次いでいることが大きな原因で、需要と供給のバランスが崩れている印象です。

 

■一部の廃盤ブランドバッグ
2020年になってブランドバッグ市場で中古価格が高騰化したのは、まずルイ・ヴィトンのモノグラム。
中でも「ルーピング」「ミニルーピング」はその代表格で、2019年までの相場に比べて2~3倍の価格で取引されるようになっています。「モンスリ」「ヴァヴァン」「レシタル」「ヴィバシテ」なども高騰しており、小物に近い「ポシェット・アクセソワール」までもが中古市場で過去の数倍の価格で高く取引されています。2020年中盤ごろになると、フェンディの「マンマバケット」に代表されるズッカ柄バッグ、セリーヌのマカダム柄バッグなどが急激に高騰。2021年8月現在では、過去中古相場の数倍にもなっていると思います。
考えられる原因としては、まずコロナ禍による流通や渡航の制限などにより、中古ブランドバッグ全体が前よりも手に入りづらくなったこと。この流通が滞っての国内在庫減少が、最大の原因だと思われます。
その中で流行がちょっとしたヴィンテージ品に回帰する動きや、フェンディの場合はデザイナーの死去、ほか有名人の愛用など複数の理由が絡んでいるようです。また業者が海外輸出目的に買っていたり、主目的の品物が手に入らない代わりに廃盤品を買い集めているうちに一部の品物が高騰したような気配もありそうです。またはコロナ後を見越して、収蔵する目的などで買い集められている可能性もあります。

かといって、もちろんあらゆる商品が高騰しているわけではありません。ひと口に「ルイ・ヴィトンのモノグラム廃盤バッグ」と言っても、すべてが高騰しているわけではないようです。ブランドバッグの傾向として言えそうなのは、ここ近年のモデルは比較的通常相場で取引されている傾向。ヴィンテージすぎない「少し前」のものこそ、可能性が高そうです。

 

■貴金属も高騰
これは中古相場ではなく、コロナ禍による投資家の動きです。
貴金属相場は基本的に不安要素があると投資家が買付をおこなって上昇し、安定要素があると放出して下降します。要するに時代や情勢によりインフレやデフレで価値が変わってしまう可能性があるお金ではなく、いつの時代でも一定の価値がある貴金属を買い込むことで、円やドルが暴落しても貴金属の資産を持てます。新型コロナウイルス感染症が爆発した頃から貴金属相場は急上昇を続け、コロナ前の1.5倍近くにまで上がりました。もはや現在の14金価格がコロナ前の18金価格に相当します。現在でも過去最高水準を上下し続けて落ち着いており、動向が見逃せません。

ただしプラチナはアクセサリー用貴金属よりも自動車触媒としての需要が大きいため、金ほどの上昇はしていません。それでも最安になってしまった「金とプラチナの逆転現象」の頃より、見違えるほど回復しています。現在は金の価格が高すぎるため、プラチナが安いように錯覚してしまう面もあると思います。


■今が売却のチャンスかも
投資家など先を読む人々の多くは「コロナが落ち着いたら急降下する可能性がある」という見地の方が多いようです。特に金相場は大きな動きになる可能性があり、多くの人が買いを控えています。
ここに挙げたアイテムは、今こそ高額買取のチャンスかもしれません。特に古びたヴィトンや、数年前まではあまり価値がなかったフェンディやセリーヌが高い相場を見せ、買い取れるのは今のうちである可能性が考えられます。たとえばコロナ前の流通価格を考えれば、一気にそのぐらいに落ち込む可能性も払拭できません。

たとえば、貴金属を売却にいらっしゃるお客様に「相場が上下するけど、いつが売り時なの?」とよく聞かれます。
それには「今なら、いつでも売り時です」と回答できるかもしれません。たしかに日によって上下はしますが、ここのところは一時期のように1日で数円~数十円で上下する、相場の上下としては平常な動きになりました。しかし基本値がコロナ前より非常に高いので、その上下も些末なものと言えそうです。

ただし、売却の際には一部の品物が高騰化していることを自分で把握し、お店の人もそれを理解している店舗を選びましょう。
残念ながら、金や古いブランドバッグが高騰していることを知らず、以前のような安い価格で買い叩かれたという話も耳に入ります。インターネット検索をすれば個人でもある程度調べられますので、おうち時間で手持ちアイテムの価値が上がっていないか、宝探し気分で調べてみましょう。