意外で便利な質預かりのカテゴリーについて

質屋さんというと、多くの方が「預かるのは貴金属やバッグ、時計あたりでしょ?」というイメージがあるようです。

しかし実際には数多くのものが質預かり可能です。近年ではノートパソコンやタブレット、釣り用品やゴルフ用品などなど、その時に価値があるものであれば預かるお店が多いと思います。
基本的に「買取可能なもので、保管が難しくないものであれば、多くのものは預かりも可能」。今回はその中でも、ちょっと意外なものをご紹介します。

【金券類】


ほとんどの方が売却目的でご来店いただく、商品券やテレフォンカード、切手などの金券類。しかしこれらも預かることが可能です。
これらは額面が明確で、それに沿って買取額を設定していますので、そこからすぐに預かり額を決定できます。目安としては90%以上の買取が可能な金券の場合、額面の7~8割で預かることができるでしょう。
テレカは店舗によって買取額に差が出ますし、切手はシートかバラかでどの店舗も買取額に開きがあります。しかしそれらの買取額を目安に、質預かりすることが可能です。
買い取ることが多いこれらも、お客様によってはコレクション品の切手であったり、記念に取っておきたいカードであることも多いようです。
また商品券は額面がはっきりしていて買取率も高いので、手もとに残して「いつでも入れられる質草」として活用することができます。金券は決まった店舗でしか使用できないため、いずれは使いたいので売るには惜しいものの、お金が必要という場面での有効活用かもしれません。

【絵画や楽器の保管目的】


質屋の意外な活用法。それは「保管スペースとしての利用」です。
近年、個人で借りることができるコンテナを街中でよく見かけます。絵画などは居住スペースでは保管に限りがあり、また一般家庭では湿度管理も難しいため、コンテナを借りて収納しておく方も多いようです。同様に楽器も場所を取り、湿度により木製部分の損傷や金属部分のサビなどが発生するもの。そのためコンテナを利用する方も少なくありません。
そこで、それらを質屋に預ける方も多いのです。質屋の蔵は頑丈で、湿度管理もおこなっています。一般家庭では常に空気清浄機を起動したり温度管理までは難しいですが、質屋であれば安心して預けられます。
「自宅に置きづらいから、次のライヴまで預かっておいて」というお客さんもいらっしゃいます。コンテナのレンタル料の代わりに、質利息が発生する感覚ですね。

【金貨や銀貨・記念硬貨・紙幣】


金貨の場合、アイテムとしての流通価格よりも、貴金属としての価値が基準になります。そのため金相場が高騰していれば、多くの金貨は額面以上の金額で買い取ることができるため、その買取額を基準にして預かることができます。
銀貨の場合、銀は単価が安いため、貴金属として計算すると多くは額面を下回ってしまいます。しかし額面が1万円や5千円の場合、その額面を基準に手数料を差し引いての買取・預かりが可能です。
ニッケルなどの記念硬貨のほとんどにはプレミアなどがついておらず、厳密には今でも使えるお金なので買取対象外ですが、銀貨同様に額面を基準にすることができます。

紙幣もプレミア価値がついているものはかなり限られますが、額面からの計算が可能。使用できるものの現行品ではないため使いづらいですし、聖徳太子肖像の一万円札などはコレクションで残したい方もいるでしょう。
長年コインや紙幣をコレクションしている方にとっては、できれば手放したくないもの。預かる手段にも使えますし、貴金属でなくても固定額面からの計算になるので、時代が過ぎても預かり品としての価値は崩れにくいでしょう。

【貴金属の保管として】
金貨について触れましたが、近年、貴金属相場が大きく変動しています。数ヶ月間で価格がまったく変わりますし、数年前の査定額と現在では段違いになっている可能性もあります。

それを見越して、インゴットなどを低い価格で質屋に預け、相場が上がるまで「寝かせる」保管所として質蔵を利用する方もいるようです。自宅などで保管すると盗難対策をしなくてはいけませんが、質屋ならまず安心です。
ただしこれは、敏感な相場観のある方にしかできない手段ですね。

【お酒は店舗による】


寝かせるといえば、お酒。未開栓の古酒を買い取る店舗も増えていますが、質預かりができるかどうかは店舗によるでしょう。
日本のウイスキーや有名シャンパンなどは、アイテムとしては申し分ありません。しかし質預かりとなると、保管上の問題があります。いくら湿度管理をしている蔵で保管しても、風味や色の変化などには責任を置いかねます。特にシャンパンやワインを適切に保管するには専門的な設備や知識が必要なので、質屋では完全な対応ができません。
そのため風味などの変化を保証しない前提で、預かることはできそうです。しかし地震などの災害でビンが割れた場合、他の預かり品に侵食してダメージになってしまう可能性があります。以上の要素からお酒の預かりが可能かどうかは、質屋によって異なります。
ほか、割れやすい陶器や価値の鑑定がすぐにはできない骨董、以前は質預かりの定番品だったものの需要が急落している和服や毛皮なども、取り扱いの是非については店舗による判斷が大きいでしょう。

【天災による被害は補償しかねる】
質蔵を構えるには、一定の条件が必要とされます。
盗難防止の分厚い鉄製扉での施錠。小動物の侵入防止。洪水で床上浸水せず、地震で倒壊せず、火災で炎上しない天災予防の構造。湿気防止の構造と空調設備の設置。警報装置や消火器の設置……さらにセキュリティ会社の利用や防犯カメラなど、万全の体制をとっています。
それでも大災害は、予告なくやってきます。災害時、質預かり品が消失や毀損してしまう可能性もないとは言えません。預かり品に損害が生じた場合はどうなるのでしょう?

「質屋営業法」の第十九条、第2項では「災害その他質屋及び質置主双方の責めに帰することのできない事由により、質屋が質物の占有を失つた場合においては、質屋は、その質物で担保される債権を失う」と定められています。話し合いによる部分が大きいとは思いますが、貸しつけたお金はお客様に渡ったまま、お品物はお返しできないか現状でのお返しとなってしまう可能性があります。
質蔵は実に頑丈なので、そのようなケースはあまり聞きません。しかし2011年の東日本大震災のように、想像を遥かに超える被害で影響を受ける可能性もあります。万全の体制をとっていても、天災だけは待ってくれません。
しかしお品物が天災の被害を受けて毀損した場合も、考え方によっては「その程度で済んだ」と言えます。もしも保管していた自宅が倒壊したら、そのお品物は見る影もなくなっているのですから……。

いかがでしょうか?
少しでも質屋が身近なものであると感じてもらえれば幸いです。
買取だけではなく、質預かりについてもお気軽にご相談くださいませ。