ネット販売の個人間取引と店舗販売の違いとは?

買取の際、よく「それなら、ネットで売ろうかなぁ」という声を聞きます。
多くは査定額に納得がいかず、インターネットで見た個人売買アプリの金額を参照しているお客様です。たとえば「買取店で3万円査定のバッグが、ネットでは5万円で出品されている」という話をよく聞きます。

■ネットの個人販売はどうして高いの?
ネットオークションはヤフオクに始まり、現在はメルカリやラクマといった、スマホひとつで出品できるフリマアプリが数多くあります。手軽で身近になったため利用者も増え、それまで中古相場というものに疎かった方も目にする機会が増えています。

そこでの取引額は、店舗買取の金額より高い傾向です。なぜなら単純なことで、店舗は販売額から買取額を決めますが、ネットオークションやフリマアプリは「販売そのもの」。そのため買取店舗が業者やお店で販売する額に近い金額で、直接自分が売ることができるのです。

 

■「表示されている金額=純粋な販売額」ではない
しかし忘れてはいけないのは、ネットオークションやフリマアプリは「金額以外の要素」が多いこと。
開始するには登録が必要で、質問や値下げ交渉に対応し、落札後は自分で梱包して発送。送料負担を自分にするか相手にするかも大切。近年のフリマアプリは写真を撮影するだけで出品できるぐらい簡単になりましたが、ダメージ部分などの撮影や言及がないと必ずトラブルに発展します。梱包をおまかせできるパックもあるようですが、もちろん有料です。

さらにヤフオク以外のフリマアプリの多くは、売上が「ポイント」としてチャージされ、申請をしたうえで一定額から金銭と交換するシステムです。そのため売れた金額がすべてそのまますぐに銀行に入るわけではありません。
以上のことを知っておかないと「フリマアプリでの出品価格=店に売れる価格」と思って店舗へ持ち込んでしまうかもしれません。実際にそう思っている方や、基準にされる方も少なくありません。

 

■金額は「あくまで参考」にしたほうがいい
それでは、ネット出品の金額を見せれば(伝えれば)、買取店や質屋で買取額を合わせてくれるのでしょうか?
今まで述べてきたように、ネット出品は自分で金額を設定して出品できるため、実際の中古相場と乖離している部分があります。

値段が自由に設定できる反面、出品者が高額落札を狙って高めに出品し、落札されないものも多くあります。それらは「出品額=個人的な希望額」であって、実際に落札された価格ではありません。また落札実績があったとしても「指値(固定額)」が多い個人出品では、それは「たまたま1人の落札者だけが入札した、1人だけの価格」に過ぎないのです。
落札額も出品中の金額も一般的な買取中古相場とは大きく異なり、実際の商品相場に基づいた、販売できる可能性が高い価格データとしては参考にならないので、買取店ではあまり買取時の基準になりません。


■店舗の買取額はどうやって決めるの?
それでは、ネット個人売買を参考にしないのであれば、買取店や質屋はどのように買取額を決めるのでしょうか?
質屋や買取店は、主に業者間オークション(市場の落札データ)やネットオークションの「落札結果」を参考にしています。
業者向けデータなので過去の実績が多く、持ち込み品に近いデータを参照することができる可能性が高いため、信頼性があります。特に質屋は質屋間でのみ閲覧できる質屋オークション結果も参照できるので、より高い買取額を提示することができます。
その落札結果を本に、ものによって異なる利益幅を想定して、買取額を決定しています。中にはネット個人売買より高額を出せる場合もあります。

■安心できるのは店舗
店舗での買取額に納得できず、どうしても希望額で売りたいのであれば、各種手間やクレームなどのリスクを背負って自分でアプリをインストールしてやるしかありません。しかし各種手間やクレーム処理はつきもので、さらに手数料が引かれることを考えると「店に売ったほうがよかったかな……」という場合もあるはずです。

冒頭の「店舗買取が3万円、ネット個人売買が5万円」の例:

・落札額から利用手数料(2,000円~5,000円)

・ホームセンターで購入する梱包材(1,000円~3,000円)

・高額にするため出品者が負担する送料(1,000円~3,000円)

以上の経費を差し引くと、おおよそ4万円強になってしまいます。
(※上記の数字はあくまで参考値です)

そこへ見えない人件費として、出品に至るまで・出品中の質問や交渉・落札後の連絡と梱包……といった自分の労力と時間が必要になります。さらに到着後に出品者ミスによるトラブルで返品対応した場合、経費だけ自己負担の損失になってしまいます。

店舗に売れば、アプリのインストールから撮影、出品・落札とその後の梱包や発送などがいっさい不要です。一般的な買取店であれば提示額に手数料もかからないので、労力と手数料を差し引いて考えると、結果として大差がないことも少なくありません。

時間と手間を割いてまで高く売りたいのであれば自分でやったほうが納得できるとは思いますが、店舗での売却は「売るだけで終わり」。お品物を大切にしてきたお客様にとっても、見知らぬ誰かより顔が見える買取店のほうが安心感もあるでしょう。
数字の差にがっかりするのではなく、両者を多角的に見て天秤にかけて考えてみるのも、悪くないと思いますよ。