遺品整理の具体的な方法と注意点とは

両親や兄弟、身内が亡くなったとき、遺族がやるべきことの一つに、遺品整理があります。遺品整理の方法は大きく分けると、2通り。遺品整理業者に頼む方法と、自分達で行う方法があります。こちらでは、自分達で行う場合の遺品整理の方法と、注意点などをご紹介します。

遺品整理の方法

遺品整理とは、亡くなった人が使用していたものを「遺品」として、亡くなった人の身内や身近な人が丁寧に整理することをいいます。遺品整理を自分達でする場合には、このような方法で行うのが一般的です。

 

・形見分け

遺品の中には、家族や親戚にとって、とても思い出深いものもあるでしょう。

そういった遺品を、親族や近親者や故人と親しかった人達に贈ることを、「形見分け」といいます。亡くなってから一カ月が過ぎた辺り、もしくは四十九日を過ぎた辺りに贈るよう準備を進めていきます。

かつては、形見分けとして着物を贈ることが一般的でしたが、そのほかの衣類や、家具、時計などの小物など、現代ではあらゆるものが形見分けとして贈られています。ただし、高価なものについては、相続財産とみなされ贈与税がかかる場合があるので注意が必要です。

 

・質屋に引き取ってもらう

まだ使える綺麗な家具や家電は、質屋やリサイクルショップに引き取ってもらいましょう。ご自分では価値のよくわからないものでも、実は価値のある骨董品であることもよくある話。ご自分で判断せず鑑定可能な質屋に査定を任せると、思いもよらないものを高値で買い取ってもらえる場合があります。

 

・残ったものを処分する

形見分けや質屋での買い取りを行った後、値もつかず引き取り手のないものもあります。そういったものは、地域で指定されている方法で処分しましょう。ひとつひとつゴミに出すのではなく、まとめて業者に依頼することも可能なので、数が多い場合は一度見積もりを出してもらってみましょう。

冷蔵庫やエアコンなどの家電リサイクル法で定められているものは、粗大ゴミに出すのではなく家電量販店に引き取ってもらってください。

 

遺品整理の注意点

遺品整理を行う前に、必ず確認しておきたいことがあります。以下のことを確認し、遺品整理を行いましょう。

・遺言書を確認する

遺品整理を行う前に、まず遺言書の有無を確認しましょう。遺言書は、故人が亡くなったときに、唯一故人の遺志を引き継げるものです。きちんとした書式で書かれていれば、法律的な意味でも最も優先されるべきもの。遺言書に遺品の扱いについて記載されている場合は、その内容を最優先しましょう。

 

・形見分けの注意点

形見分けをする場合、通常贈る相手は故人と特に親しかった人だけにします。それほど親しくなかった人や、目上の人に贈ると失礼に当たる場合もあるからです。例外として、目上の人から形見分けの申し出がある場合もありますので、そのときは快くお贈りしましょう。

 

・心の整理がついてから行う

四十九日の法要辺りでは、まだ心の整理がつかない場合もあるかもしれません。そのような場合は無理に遺品整理をしようとせず、きちんと心の整理がついてから行うようにしましょう。

心の整理がついていない状態では、何を遺して何を処分していいか冷静な判断ができないものです。処分してから後悔しても二度と取り戻せないものですから、後悔することのないようにご自身の心の整理を大切にしてください。

遺品整理で後悔を残さないよう、冷静に、丁寧な作業をおすすめします。特に、質屋に依頼する際には、業者選びも大切です。貴金属などの価値をきちんと鑑定できる業者を選びましょう。