ブランド品を買うときに注意したい「並行輸入品」とは

インターネットのショッピングサイトでブランド品を検索すると、「並行輸入品」という言葉を見かけたことがあるはずです。いわゆるハイブランドと呼ばれる有名ブランドの商品でも「並行輸入品」というものが存在しますが、果たして並行輸入品とはどのようなものを指すのでしょうか。今回は、ブランド品を購入する際に注意すべき「並行輸入品」について、そのメリットやデメリットなどを詳しく解説します。

 

並行輸入品とは

「ルイ・ヴィトンジャパン」や「エルメスジャポン」のような日本の正規代理店によって入荷されたブランド品を「正規品」と呼ぶのに対し、海外の正規店やバイヤーなどから買付けしたものが日本に輸入・販売されるブランド品を「並行輸入品」と言います。ルイ・ヴィトンやエルメスなどのハイブランド商品だけでなく、コスメやアクセサリーなど、あらゆる輸入品には「正規品」と「並行輸入品」が存在しています。

並行輸入品は本物のブランド品?

「正規品」は現地メーカーから日本の代理店が輸入を行うため、その名の通り正規のルートをたどって商品が消費者の元へと届きます。これに対して「並行輸入品」は異なる流通ルートによって日本で販売されるため、「並行輸入品=偽物」という印象を持っている方は決して少なくありません。しかし実際のところは、並行輸入品は正規の流通ルートとは異なる方法で日本に入って来てはいますが、決して偽物というわけではありません。正規品も並行輸入品も商品が製造されているところは同じですし、売られている商品ももちろん本物です。ただし、インターネット上で販売されている並行輸入品の中には、稀に悪意ある業者によって偽物が売られていることもあります。そうした被害をさけるためにも、並行輸入品を購入する際には、正式に会社として店舗を構えてブランド品を販売しているところを選ぶようにしましょう。

 

並行輸入品のメリットとデメリット

並行輸入品にはどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。それぞれ詳しく見ていきましょう。

①メリット
正規品は正規の流通ルートをたどって日本に輸入されるため、価格は基本的に「定価」が原則です。これに対し、独自の流通ルートで輸入される並行輸入品は、正規品と比べると商品によっては定価より値段が高くなることも安くなることもあります。また、並行輸入品はもともと海外で販売される予定だった商品のため、日本未入荷の商品を手にいれることができます。

②デメリット
並行輸入品は海外で売られることを前提としているため、取扱説明書が英文のみだったり、故障の際に部品が手に入りにくかったりというデメリットがあります。また、紙袋や箱などが付いていないケースも多く、ブランドによっては故障が起きた場合に正規販売店では無料修理を行っていないところも少なくないようです。

上記のように、並行輸入品にはメリットとデメリットの両方があります。並行輸入品を購入する場合には、あらかじめこれらのことをしっかりと理解しておくことが大切です。

 

「新品定価」と買取価格

中古品でも、最初の購入当時には「新品の価格」がありますよね。商品やメーカー・ブランドによっては、いっさい値引きがない「定価」のままだったり、セール品だと値引き価格の表示が必ずあると思います。それが新品購入価格になりますが、売却する際、多くの方がそれを参考にされます。しかし残念ながら、その価格は基準にならないことが多いです。

そもそも定価と呼ばれるものの多くは「メーカーが定めた『この値段で売ってほしい』という希望小売価格」です。本来の「定価」という表記では、厳密には「必ずこの価格で販売しないといけない価格」という定義になるため、多くのメーカーが「希望小売価格」としての定価を定めています。しかし多くの商品は、そのままの価格では売ることが現実的ではありません。一部のハイブランドを除き、多くのメーカー品はそのままの価格では売れ残り、在庫品になってしまうのが現状です。

そこで多くの小売店では、各店舗や本部の判断により値下げをおこないます。
「30% OFF」といった割引や「1,000円引き」などの定額値引きをおこなうことで、消費者は見ただけでお得な感じがして購入欲が湧いてきます。デパートなどでも「セール」や「バーゲン」と銘打って、大々的に開催しますよね。最近の消費者の中には、必ず値下げがおこなわれる衣料品などは「セールにならないと買わない」という人も増えています。そういった現状のため、いわゆる定価はほとんど「あってないようなもの」になりつつあるのです。

それではここで、新品価格にまつわる「定価商品」「セール対象品」「オープン価格」「アウトレット商品」「当時の新品価格」の5項目について、買取の目線も加えて解説してみましょう。

 

(1).【定価商品】

基本的に値下げをしない商品。ルイ・ヴィトンなどのハイブランド、ロレックスなどの高級時計などが有名。これらの「新品」は、買取時に定価から掛け率で計算されることも多くあります。iPhoneなどアップル社製品も、原則的に値引きはおこないません。買取時には「未使用品の流通価格」が絡む判断になるので、定価からの掛け率だけで計算されることはあまりありません。

なお、買取にあたってルイ・ヴィトンは製造年、ロレックスはギャランティの日付、アップル社製品は現行モデルなどの基準で「新品かどうか」を判断します。そのため、しばらく使わずに保管していた「未使用品」と「新品」は似て非なるもの。たとえば5年前に購入したまま使っていないモデルを現在持ち込んでも「未使用品」としての判断となり、「新品」という判断はできません。そのため、新品であれば掛け率の計算が可能なものも、同じ掛け率で買取することができず、参考程度になってしまうことが多いです。

 

(2).【セール対象品】

一般の衣料品や家電など、多くがこれになります。発売当初はメーカー希望小売価格そのままや、なるべく近い高めの価格設定ですが、シーズン切り替えやモデルチェンジが常におこなわれるため、原価と利益を算出して値引価格を設定し、在庫が残らないように売っていく商品。「服は原価が定価の1~2割」と言われますが、その原価を回収できる線まで下げて売り払ってしまいます。あるいは原価を割る価格にまで値引き、とにかく売り切ろうとします。 他の在庫を置くことができないリスクを抱えたままでは、損益となっても古い在庫を外に出してしまわないと、新商品を展開できなくなってしまうからです。

買取時には、こちらの「いわゆる定価(=メーカー希望小売価格)」は、残念ながらあまり参考になりません。年数が経過したり、中古品に関しては一部を除き、ほとんどは「現在の中古流通額」から買取額を算出します。特に中古はモデルの新旧や状態、付属品ほか雑多な要素が1点ごとに異なるため、なるべく近いデータを拾って参照し、買取額を決めるものがほとんどです。未使用品でも中古流通に乗るため、買取額は中古流通相場から決定されます。未使用品でも、中古流通相場の多くは「セール品になって、底値になってからの価格が基準」になっているものが多いため、定価を参照するとがっかりしてしまうかもしれません。

中には新品の電動工具や、ブランドによっては新品価格から掛け率を算出できるものもあります。しかしルイ・ヴィトンやロレックスのような高い掛け率ではなくなることがほとんどです。また掛け率を設けているかどうかは店舗によりますので、気になるようでしたら定価からの計算なのか中古流通額からの判断なのか、問い合わせるのも手段のひとつかもしれません。

 

(3).【オープン価格】

最初からメーカー側が新品定価を定めないもので、年々増加の傾向にあります。パソコンなどの電化製品、安価な家電品、雑貨類などに多く、希望小売価格を設定しないことで小売店の間で競争し、販売相場を作ってもらう流れになります。それでもおおよその基準価格は相場として成立していくので、価格は商品によってまちまちですが、小売店で販売する金額のラインは早めに決まっていきます。

買取においては定価が存在しないため、掛け率での計算は不可能です。
一般に、買取価格は中古流通額や付き合いのある業者さんの価格からの計算になります。また、メーカーを通さないハンドメイド品なども定価が存在しないことが多いですね。その場合、最終的な販売価格には技術料や人件費が大きな部分を占めます。実質的に中古流通額が存在せず、相場を調べたり販売ルートを検討するのも難しいため、自信を持って買取できるものが限られます。
そのため販売できる確証がなく、厳しい査定になることがあります。

(4).【アウトレット商品】

要注意なのが、こちらの品目。近年流行し、すでに一般化しているアウトレット・モール。そこで販売されているモデルは最初から価格設定が安いものが多く、モールや店舗によってはさらに割引をおこなう前提の原価になっています。そのためブランド品でも、アウトレット価格は定価としての参考にはならないのです。たとえば定価が50,000円のバッグも、アウトレット扱いでは販売単価が半額に設定され、さらに入場時に20%引きチケットが配布され、そのうえアプリで追加5%引き……といった「多重割引」になっていきます。そうなると、実際の販売額は20,000円を切るほどに安くなってしまうのです。

新品がその価格で買えるということは、もちろん、中古流通市場は「最大販売額がそれ以下になる前提」での価格相場に設定されていきます。ということは、定価が50,000円であっても、実際の中古流通額は10,000円~15,000円程度になってしまう商品がほとんどになってしまうのです。買取額はその額を参考に算出されるので、店の利益を含んで算出され、それよりさらに下がります。このように、アウトレット商品である時点で、タグに表示されている定価はあくまで「参考価格」どまりになってしまうのです。

(5).【購入当時の新品価格】

買取時、よく「当時の購入価格は高かったのに……」というお言葉を頂戴することがあります。その「当時」は近年であれば今までの4項目で説明ができますが、10年前、20年前、30年前……となると、また勝手が違ってきます。

というのも、最も価格に影響が大きいのは「時代の流れ」。バブル時代は「どんなものでも、値段が高くないと売れない」という奇妙な状態でした。そのためグレードの高くないダイヤも現在の価値の数倍~数十倍の価格で販売され、それでも飛ぶように売れていました。価格には流行も関与するため、現在では身に着けている人をめったに見かけなくなったアイテムも高値で取引されていました。その代表格が「獣皮」。珍しい動物のレザーを使用した商品です。また物価も、現在とまったく違います。ドル計算すれば「1ドル=360円」の時代は、単純に言えば「1ドル=120円」の時代に比べて物価が3倍だったことになります。

これらのあおりを特に受けたのが、高額ダイヤモンドやデザインものの高額アクセサリー、クロコダイルやオーストリッチなどの獣皮。上記の理由で格段に価格が安くなってしまいます。当時のブランド品も、現在では買い手がつかない古いデザインになってしまうため、一部ハイブランドを除いて買取が難しくなっています。例え話になりますが、数十年前に購入した自動車や家を、現在売却したらどのぐらいの価値になるでしょうか?自動車は引き取ってくれれば御の字で、逆に処分料金が発生してしまうことが多いでしょう。家の場合は建物の評価はゼロで、現在の土地評価額から家屋取り壊し料金をマイナスした額が算出されることでしょう。ともに、現状での価格はつけられないケースが多いと思います。ブランド品や各種アイテムも、これと同じことが言えます。あくまで「現在の価格」を算出するので、購入当時の価格は参考にならないケースがほとんどです。

 

貴金属の場合は?
例外となるのが、金やプラチナといった貴金属。時代を経過したアクセサリーは、需要のあるブランド品であれば中古流通額からの計算になりますが、多くはデザイン上の問題で現在の販売が難しく、グラム計算になります。というのも、当時の購入額は販売店が設定した額であるため、あまり基準になりません。上記の物価やメーカーの問題もありますし、新品販売時の価格にはデザイン料、販売店の利益や経費なども加算されています。特にバブル時代は豪奢なデザインのものが飛ぶように売れたので、ほとんど「自由価格」だったと言えます。貴金属部分のグラム計算と金相場を掛け合わせ、もし色石やダイヤに価値がつけばそこへプラス。逆に石に価値がつかなければ重さからマイナス。純粋な計算で算出します。その計算に、当時の販売額はまったく関係ありません。

そのためデザイン料や諸経費がかかった当時の豪華で繊細なアクセサリーは、購入額をはるかに下回る額になることが多いです。当時は重宝された大きな色石も、現在では値段がつかずにグラム計算から引かれることが多いです。逆に、金が高くなかった時代に購入したシンプルで重量があるものは、金相場が高騰している現在では高値になることもあります。

時代とともに変わっていく、価値観。「新品」「定価」の価値観も、微妙に変わってきています。それに付随する買取価格も、常に変わっていきます。質屋は鎌倉時代からありましたが、「買取」は一般化してからほんの数十年。その頃のアイテムに「現代の価値」をつけること自体、かなり難しいことです。男性のカメラ・コレクターの中には「想い出として、当時の購入額を取っておく」という方もいます。レシートや領収証、商品タグなど、当時の購入額がわかるものをファイリングし、愛機の「記録」として保存しているという――お品物を大切に想うからこそできる、我が子の記録のような取り扱いです。新品価格も、そのようにキレイなものであると嬉しいですね。

ここに注目! エルメスのバーキンの偽物の見分け方

エルメスの第5代社長、ジャン=ルイ・デュマ=エルメスが、飛行機で偶然隣に乗り合わせた、イギリス出身の女性歌手ジェーン・バーキンのために作ったとされるバッグ「バーキン」。誕生から30年以上たった現在でも、世界中の女性たちを魅力し続けていますが、その人気が故に偽物が数多く出回っているのも事実です。そこで今回は、バーキンの偽物を見分けるためのポイントについて、詳しく解説します。

 

エルメスのバーキンの偽物を見分けるコツ

エルメスの「バーキン」の偽物を見分ける際のポイントは、次の通りです。

 

①年式の刻印

バーキンをはじめとするエルメスの革製品には、製造年、アトリエ名、制作者が分かるように刻印が押されています。製造年はアルファベットのa~zが毎年割り振られるため、刻印を見ただけでそのバッグがいつ作られたものなのかが分かるというものになっています。バーキンの場合、クロアの金具部分の裏側、新しいものはバッグ横の革の奥側に刻印がされています。近ごろは偽物でも刻印がしっかり押されたものも多く出回っていますので、「刻印がある=本物」と判断するのは少々危険です。刻印の位置がおかしかったり、刻印の荒さが目立つ場合には、プロに鑑定を依頼する方が安心でしょう。

 

②ジップのプルタブの刻印

ジップのプルタブにもエルメスの刻印がされていますが、その書式にも注目しましょう。本物は刻印が細くくっきりと入っているのが特徴です。偽物は刻印が太くつぶれたように押されていることが多いので、きれいに刻印されているかどうかが簡単に見分けるひとつの目安になります。

③ジップのプルタブの向き

エルメスではジップの種類がほとんどオートマチック式のスライダーを採用しています。そのため、本物のプルタブは進行方向に向かって横に向いたままで垂れることがありません。これに対して、偽物のジップはすぐに垂れてしまうのが特徴です。

 

④クロア部分

次に、バーキンの「クロア(ベルト)」部分にも注目しましょう。本物のエルメスの場合、留め具の部分が必ずステッチ(縫い目)の内側ギリギリのところに入っているのが特徴です。これに対し偽物の場合は留め具の位置が大きくずれたりバランスが悪かったりします。また、留め金がプラスマイナスのネジだった場合には偽物の疑いがありますので、プロに査定を依頼する方が安心でしょう。

 

⑤カデナ

当然のことですが、本物の場合は鍵とカデナの番号が必ず一致しており、鍵穴の形状が複雑に作られています。万が一鍵穴の形状が簡素に作られていた場合には、偽物を疑う必要があるでしょう。

 

エルメスのバーキンの見分け方がわからない場合には

世界トップクラスの最高級ブランド「エルメス」。なかでも世界中のセレブから愛されているバーキンは、その人気が故に模倣品が後をたちません。最近ではスーパーコピーと呼ばれる実に精巧に作られた偽物も多くつくられているため、素人ではなかなか真贋を見極めることができないのも事実です。購入したバーキンに怪しい部分があった場合や、本物かどうかが不安な場合には、正規店で修理依頼をするか、買取店へ持って行ってプロに査定をしてもらう方が安心でしょう。

いかがでしたか? 上記の内容をしっかりと理解した上で、偽物と本物をしっかり区別できるようにしましょう。とはいえ、素人には限界がありますので、手にしたバッグの真贋が不安な場合には、ブランド買取店に鑑定してもらうことをおすすめします。

 

革のバッグに臭いがついてしまっているときの対処法

革バッグの魅力は、使い込むほどに風合いや色味の変化を楽しむことができることですが、新品の本革は独特の臭いがすることも多く、せっかく購入したバッグもその臭いのために使うことをためらってしまう人もいるかもしれません。そこで今回は、革製品のお手入れの中でも、バッグの臭いが気になるときの対処法について、詳しく解説します。

 

革そのものが臭い場合

新品の本革商品を購入すると、革の臭いを強く感じます。この独特な臭いこそが、本革である証明のようなものなのですが、人によってはこれがどうしても苦手という方も珍しくはないようです。そもそも、なぜ革製品には独特の匂いがあるのでしょうか。

ご存知の通り、本革というのはもともと動物の「皮」から作られています。動物の皮は非常に柔らかく丈夫なのですが、そのままの状態で使用すると腐敗しやすく、時間の経過とともに板のように硬くなってしまうという欠点がありました。それを補うための技術が「なめし」と呼ばれるもので、薬剤を使って皮を腐りにくい「革」へと仕上げます。革製品独特の臭いの正体は、皮をなめす時のなめし剤の臭いというわけです。

では、この臭いが気になる場合にはどうしたら良いのでしょうか。最も簡単な方法としては、市販の革製品用消臭剤の使用ですが、これはあくまでも一時的に臭いを消すだけであって、臭いのもとから断ち切ることはできません。まずは風通しの良いところに何度か陰干しして、できるだけ臭いを飛ばすようにしましょう。その後、不要になった靴下やハンカチなどに重曹を適量つつみ、それを鞄のなかに入れておきます。重曹には消臭効果があるため、そのまましばらく保管しておくことで革製品独特の臭いを和らげてくれるようです。ただし、重曹が直接革部分につくと変色の原因になりますので注意しましょう。

 

香水やたばこの臭いがする場合

 

革のバッグについたタバコや香水の臭いは意外と気になるものです。臭いのついたバッグをそのままクローゼットにしまうと、クローゼット内の洋服や他の布製品にも臭い移りすることがあるため、きちんと臭いのもとを取り除く必要があります。

では、香水やタバコなどの臭いがバッグについてしまった場合、どのようにお手入れすればよいのでしょうか。実は香水やタバコなどのように、後から付着した臭いに関しては比較的簡単に取り除くことが可能なのです。おすすめは革専用のクリーナーを使う方法。ムース状になったクリーナーをクロスにつけて、丁寧に拭き取りましょう。その後、風通しの良いところで陰干しをすれば気になる臭いはほとんど消えます。

 

カビ臭くなってしまった場合

革のバッグがカビ臭い場合には、表面上のカビを拭き取っただけでは臭いを取り除くことができません。必ずカビ除去専用のスプレーなどを使って、しっかりとカビの原因を除去することが大切です。また、使用後には革製品用の除菌スプレーなどでしっかりと汚れを拭き取り、クローゼットなどへしまう前に風通しの良いところに干すようにしましょう。

革製品のなかでも高級レザーを使ったバッグの場合は、自分で手入れをすると素材を傷めてしまう恐れがあります。少々コストはかかるかもしれませんが、正規店や信頼のおけるクリーニング店などに相談してみる方が安心でしょう。

 

「ジャンク品」って何だろう?

よく耳にする「ジャンク品」という表記。中古品の世界ではだいぶ浸透してきましたが、中にはまだご存知ない方もいらっしゃいます。ほとんどの店舗がジャンク品の理由をプライスカードに明記していますが、どうしても格安な価格にだけ目がいってしまい、動作不良の旨を記した説明を読まずに購入してトラブルになる事例も多くあります。リサイクル店に通い慣れていないと、どうしても量販店のように「売っている=動作する前提」で見てしまうのでしょうね。


「ジャンク品」とは何でしょうか?

平たく言えば「破損・不良などにより本来の製品としての利用価値を失っている品物」のことです。業界内部から言われ始めた言葉のため、完全に明確な定義はありません。また業界により定義が多少変わりますが、おおよその定義は以下のようなものです。

・一部、もしくは全部が動作しない
・通常使用するには致命的欠陥や欠品がある
・動作確認ができないため、動作保証がない
・年式により動作保証ができない

いずれも、お客様がお持ちになった、現状での買取から販売している中古品ならでは。新品ではまずあり得ない状態ですよね。それでも価格が安ければ購入したいという需要が確実にあり、昨今のジャンク品という扱いに発展しています。しかし動作品ではなかったり、動作保証がない場合がほとんどなので、ジャンク品は何らかの問題があっても基本的に返品・交換の対象外です。

どう使うために購入するの?

・パーツ目的
たとえばパソコンは、CPUやメモリなどを抜き出し、組み直して自作PCを作ることができます。オーディオ好きの方もアンプ用の真空管などを探し、そうしたパーツを組み合わせて自作機を作る方もいます。またカメラは一部分を抜き出し、手持ち品の修理用に流用することも一般的です。そういった需要が確実にあるので、昨今「ジャンクパーツ」という言われ方もしています。

・「ニコイチ」してひとつにする
こちらは、上記に近い発想。難のある2台を組み合わせ、動作に問題がない1台を組み上げるのです。主にパソコンなどでおこなわれますが、これを「ニコイチ」と呼びます。ディスプレイと本体、スピーカーと本体、電気系統とギターのボディ……というように、技術があればできる行為で、残ってしまった不良部分は、またジャンク品としてリサイクル店に売却したり、または処分してもらったりすることができるかもしれません。

・イチかバチかで動作未確認を買う
シンプルかつ意外と多いのが、この目的。
主に「動作未確認」のアイテムに関して、「安いから動作しなかったら捨ててもいい」という賭けにも似た買い方をするもの。特にマウスやキーボードといった比較的安価なものは、これをやってみる方も少なくありません。もちろん成功して得をすることもあれば、失敗して不良品であることも少なくありません。基本的にジャンク品は返品・交換の対象外なので、くれぐれも動作不良のクレームは控えましょう。

・動作テスト用
主にケーブルなどの消耗品や、フィルムやメモリーカード、カメラ類などは「他機種のテスト用」という視点でも役に立ちます。しかしテスト用に買ったはいいものの、それ自体が不良品ということも当然あり得ますので、くれぐれもご注意ください。

・修理して使う
故障部分を自分または家電屋さんで修理する前提で、仕入れとして購入するケース。程度の軽い不良と判断できれば、この手段も大いに活用できます。
ただしジャンク品の場合、他の箇所に不具合があっても返品・交換理由にはならないのでお気をつけください。また修理代が本体代より高くなることも多々ありますので、修理相場に詳しいか、自分での修理に自信がある方にのみオススメです。

・現状品として使う
意外と多い理由が、こちら。動作しない部分がある、リモコンが欠品している、ステレオの音が片方しか出ない……といった「ジャンク品の理由」を飲み込んで、そのまま使う前提での購入です。不良部分を承知で使う分には問題ないため、価格とジャンク理由を天秤にかけて購入を検討する方も多いです。


どんなものがジャンク品になるの?

このように用途・需要が広いジャンク品でも、ある程度の制限はあります。どんなものでもジャンク品として販売されるわけではありません。それでは、どんなものがジャンク品になるのでしょうか?

・基本的には電化製品(AV家電)や腕時計など、機械式のもの
ジャンク品の王道は、電化製品。特に年式に左右されづらく、パーツとしての需要が高いAV情報家電が多い傾向です。または時計もパーツ用としての需要などはありますが、どんな不良品も受け入れていると在庫過多になって管理できなくなってしまうため、店舗によってブランドやモデル、状態や販売想定額などで制限している場合も多いです。なお、楽器類もジャンク品の幅が広く、ネック反りのあるギターや通電しない楽器、ノイズのあるアンプやシタールのような動作保証がしづらい楽器なども手広くジャンク品として扱われています。

・生活家電はジャンク品での販売が難しい
冷蔵庫や電子レンジ、掃除機といった生活家電はスペースを取り、買い替えにも多くの手間が必要なので、ジャンク基準は年式による理由が多い傾向です。家電品は一般的に生産から5年で純正修理パーツの生産が止まるため、中古動作品としての買取は生産されてから5年程度の店舗が多いです。そのため、それ以後数年のモデルは「修理不可・動作保証なし」という前提でジャンク品販売する場合があります。また生活家電はモデルチェンジが多いため、型落ち品は新品でも安価になりやすいものです。そのため不具合品や破損品は安くても購入需要が少なく、ジャンク品目的の用途も僅少。そのため商品になるかどうかの視点が厳しく、買取不可になる店舗が多いようです。

・何らかの危険があるものはジャンク扱いにはしない
ケーブルが破損して銅線が出ている、爆発や破損などのおそれがある、二次被害を及ぼす可能性がある、メーカーのリコール品……などは、多くの店舗はコンプライアンスの視点からジャンク扱いにもせず、買取を断ります。たしかにジャンク品は基本的に自己責任ではありますが、見て明らかな問題がある場合やケガをする可能性がある場合は、お店でもモラルやマナーといった人間的な部分を重視するのですね。そのため、たとえば「家具のジャンク品」というものは、きわめて少ないはずです。倒壊・崩落による二次被害が容易に想定できるからです。

 


・他はジャンク状態でも値段がつく「特例」のみ
機械式のもの以外でも、ジャンク品という定義を使うことはできます。たとえば劣化したブランドバッグ、ほつれの多いブランド服、可動部分やパーツが不足しているホビー、人気商品なのに通電しないインテリア、電源の入らないゲーム機……ジャンク品という定義を使おうとすれば、際限なく可能です。しかし時計の部分で触れたように、すべてを許容してしまうとお店がパンクしてしまいます。そのためバッグや衣料品は「その状態でも買い手がつくハイブランド品」、ホビーやインテリアは「その状態でも買い手がつく人気商品」、ゲーム機は「内蔵ハードディスクの再利用目的需要があるモデル」「インテリア用途のレトロアイテム」などに絞って、なるべく不良在庫にならないものだけを買い取ると思います。しかしその基準は店舗によるので、状態や品物、ブランドなどを詳しく問い合わせてみたほうがいいでしょう。

有効活用できれば、とても安価で便利なジャンク品。どうしても新品や中古動作品のような各種保証はありませんが、うまく使えばお得なジャンルです。 その言葉が耳慣れない方も、ジャンク品コーナーを覗いてみてはいかがでしょうか?格安商品や懐かしいものを目にして、興味が湧いてくるかもしれませんよ。